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子どもの歯にシーラントは必要? 効果や適したタイミング、注意点について

お子様の乳歯が生えそろったら、歯医者さんで虫歯予防のケアを受けるのがおすすめです。歯科医院で行う子どもの虫歯予防には、「フッ素(フッ化物)塗布」のほかに「シーラント」と呼ばれる予防処置があります。ここでは、シーラントとはどのような処置なのか、その具体的な内容や効果・処置に適した時期(年齢)などをご紹介していきましょう。

シーラントってなに?

シーラントは奥歯の噛む面の溝をプラスチック樹脂で埋める処置です。

汚れが溜まりやすい奥歯の溝は、「歯と歯の間」や「歯と歯ぐきの境目」と並ぶ虫歯の好発部位となっています。シーラントはこの溝を浅くすることで食べかすやプラークを溜まりにくくし、虫歯を防ぐのが特徴です。さらに、シーラントにはフッ素(フッ化物)が含まれているため、歯質を丈夫にする効果や再石灰化(歯の修復機能)をうながす効果も期待できます。

シーラントの虫歯予防効果

シーラントによる虫歯予防効果は多くの研究で認められており、ある調査では4年以上で約60%の虫歯予防効果が認められたと報告されています。とくに、フッ素配合歯みがき剤やフッ素塗布を併用するとその効果がさらに増加することも明らかになっています。

なぜ、シーラントが必要?

歯は表面を硬いエナメル質で覆われていますが、乳歯のエナメル質は永久歯の半分程度の厚みしかありません。バリアとなるエナメル質が薄い乳歯は虫歯に対する抵抗力も弱く、さらに進行スピードも永久歯に比べて速いのが特徴です。

また、生えたばかりの永久歯も歯質が未熟で、丈夫な歯質が完成するまでの間に虫歯が発生しやすくなります。以上の理由から、乳歯や生えたての永久歯は通常の虫歯予防にくわえ、シーラントによる予防処置をおすすめしています。

シーラントは歯を削る必要がない

虫歯の治療とは異なり、シーラントは歯を削る必要はありません。溝にたまった汚れをお掃除するだけなので、小さなお子様でも安心して処置が受けられます。

シーラントに適したタイミング

シーラントに年齢の制限はありませんが、処置を行うタイミングとして次の4つがあります。

①3~4歳前後

乳歯がすべて生えそろい、歯医者さんで処置を嫌がらないようであれば3~4歳ごろでもシーラントは受けられます。乳歯は永久歯に比べると虫歯になりやすく、さらに進行も速いためシーラントによる予防処置がおすすめです。

②6歳前後

6歳ごろになると、一番奥の乳歯のさらに後ろに「6歳臼歯」と呼ばれる永久歯(第一大臼歯)が生えてきます。生えたての永久歯は歯質が未熟で虫歯になりやすいため、6歳臼歯が生えてきたらシーラントを検討します。

③7~8歳ごろ

6歳臼歯が生えたあと、次に上の前歯が乳歯から永久歯に生えかわります。前歯の裏側のくぼみが深い場合は、シーラントでくぼみを浅くして汚れを溜まりにくくします。

④12歳前後

12歳前後になると、6歳臼歯の後ろに永久歯(第二大臼歯)が生えてきます。この永久歯も6歳臼歯と同様にシーラントによる虫歯予防効果が期待できます。

シーラントには保険が適用できる?

乳歯または生えたての永久歯の溝(小窩裂溝)および前歯の裏側のくぼみ(舌側面窩)のシーラントには保険が適用できます。

シーラントで気をつけること

シーラントの処置を受ける際は、以下の点に注意しましょう。

シーラント後もご家庭でのケア(歯磨き)はしっかり行う

シーラントは虫歯予防に効果的な処置ですが、「シーラントを入れたから虫歯にならない」というわけではありません。あくまで虫歯予防をサポートする処置ですので、シーラントを入れた後もご家庭では歯磨きをはじめとする予防ケアを継続していきましょう。

シーラントは剝がれやすい

シーラントは食事や歯磨きなどで剥がれてしまうことがあります。とくに、グミやガムなど粘着性の高い食べものは剥がれやすいので注意が必要です。ご家庭では保護者の仕上げ磨きの際に、シーラントが剥がれてないかチェックしていきましょう。

シーラント後は歯医者さんで定期的なチェックを受ける

シーラントは永久的なものではなく、何かの拍子に剥がれてしまうことも少なくありません。シーラントが剥がれかけたり段差ができたりすると、かえってその部分に汚れが溜まりやすくなるため注意が必要です。また、剥がれかけのシーラントにより虫歯が見えにくくなることもあるため、シーラントを行った後も歯医者さんで定期的なチェックを受けるようにしましょう。

まとめ

シーラントはフッ素(フッ化物)に次いで、乳歯や生えたての永久歯の虫歯予防に効果的です。処置には保険が適用できますので、タイミングをみて適切な時期に処置を行うことをおすすめします。一方で、シーラントは永久的なものではなく、食事や歯磨きなどで剥がれてしまうこともあるため、処置後は歯科医院で定期的なチェックが必要となります。また、あくまで予防をサポートするものですので、シーラントを行ったあともご家庭でのケア(歯磨き)はしっかり行っていきましょう。

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