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歯医者のフッ素塗布はいつから?子供が受けるメリットや効果は?

虫歯予防にフッ素が有効であることは皆さんもよくご存知かと思います。おそらく、毎日使う歯磨き粉もフッ素入りの製品を選んでいることでしょう。
ただ、フッ素がどのような仕組みで虫歯予防に寄与するのかは、よくわからないかと思います。

そこで今回は、フッ素が虫歯予防に効果がある理由や口腔ケアに使用するメリット、歯科医院のフッ素塗布と市販のフッ素入り歯磨き粉の違い、子供はいつから施術を受けたら良いのかなどを解説します。

フッ素って?

フッ素は、自然界に存在する元素のひとつです。虫歯予防のために歯磨き粉に配合されていたり、歯科医院で使用する薬剤に含まれていたりすると、人工的な物質に思えるかもしれませんが、私たちが普段、口にしている海藻類やきのこ、魚などにも一定量が含まれているのです。
そんなフッ素の口腔ケアへの応用法としては、歯科医院で行うフッ素塗布とフッ素入り歯磨き粉の2つが挙げられます。

●フッ素塗布

歯科医院で行うフッ素塗布では、歯の表面に高濃度のフッ素が配合されたジェルを塗ります。
具体的には、9,000ppmのフッ化物が配合されたジェルで、一般の方が購入することはできません。高濃度のフッ化物を誤って飲み込むと、健康被害が生じるおそれがあるからです。
その一方で、歯科医師や歯科衛生士といった専門家が適切に使用すれば、市販の製品では得られない虫歯予防効果が期待できます。

●フッ素入り歯磨き粉

フッ素入り歯磨き粉は、比較的低い濃度のフッ素が配合された歯磨き粉です。
現状、市販の歯磨き粉に配合するフッ化物は、1,500ppmまでと決められています。このくらいの濃度であれば、誤って飲み込んでしまったとしても健康被害が生じるおそれはほとんどありません。ですから、フッ素入り歯磨き粉を選択する場合は、できるだけ1,500ppmに近い値の製品を選びたいものです。

ただし、5歳までのお子様は、1,000ppmを超えない製品を選ぶよう、日本口腔衛生学会などが推奨しています。

フッ素のメリットってなに?

口腔ケアにフッ素塗布やフッ素入り歯磨き粉を取り入れると、次に挙げる3つのメリットが得られます。

●メリット1:歯の再石灰化の促進

私たちの歯は、酸性の刺激を受けるたびに脱灰(だっかい)という歯が溶ける現象が起こりますが、唾液に含まれる成分が再石灰化(さいせっかいか)という現象を引き起こすことで、溶けた歯質を元通りに戻すことができるのです。その時、近くにフッ素があると歯の再石灰化作用が促進されます。

つまり、フッ素は唾液による歯の修復をサポートしてくれるのです。

●メリット2:歯質が強くなる

歯の石灰化が起こる際、フッ素が歯質の中に入り込むと、フルオロアパタイトという特別な構造に作り変えられます。フルオロアパタイトは、酸に対する抵抗力が高く、虫歯予防に寄与します。

●メリット3:虫歯菌の働きを抑える

フッ素には、虫歯菌が酸を作り出す活動を抑える作用も期待できます。虫歯が作り出す酸の量が減少すれば、自ずと虫歯リスクも低下します。

フッ素塗布はいつ始めればいいの?費用や効果は?

最後に、歯科医院でのフッ素塗布を始める年齢や費用、効果の持続期間について説明します。

●フッ素塗布は乳歯が生えてきてから

歯科医院でのフッ素塗布は、子供の歯である乳歯が生えてきたタイミングで始めると良いでしょう。
最初の乳歯は生後8か月くらいから生えてくるのが一般的なので、大まかには1歳くらいからフッ素塗布を始めましょう。1歳というと、フッ素による体への影響を心配されるかもしれませんが、その点はご安心ください。
歯科医院でのフッ素塗布は、歯科医師や歯科衛生士が行うため、1歳のお子様に対しても十分な安全を確保することが可能です。

ちなみに、フッ素入り歯磨き粉の使用は、お子様がブクブクうがいをきちんとできるようになってからにしてください。そうでないとフッ素入り歯磨き粉を誤って飲み込むトラブルが日常的に起こってしまいます。

●定期検診でのフッ素塗布は保険適用

定期検診で受けるフッ素塗布は、基本的に保険が適用されます。歯科医院の診療体制や経営方針によっては、フッ素塗布を健康保険で受けられないこともありますので、その点は事前にきちんと確認しておきましょう。

●フッ素塗布の効果の持続期間

フッ素塗布の効果の持続期間は、2~3か月程度といわれています。ただし、口腔ケアが不十分であったり、食生活が乱れていたりすると、その期間は極端に短くなるため注意が必要です。

まとめ

今回は、歯医者さんで受けるフッ素塗布について解説しました。フッ素塗布で使用するフッ素ジェルには、高濃度のフッ化物が配合されているため、市販のフッ素入り歯磨き粉よりも虫歯予防効果が高くなっています。

子供の場合は、最初の乳歯が生えてきたらフッ素塗布を受けられますので、お子様の虫歯予防を徹底したいという方は、1歳くらいから歯医者さんでのフッ素塗布を定期的に受けるようにしましょう。フッ素塗布は、3~4か月に1回くらいの頻度で受けるのが望ましいです。

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